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写真屋時代の話。
お店の待合コーナーにカメラ雑誌(たしか『カメラマン』だったと思う)が置いてあって、いつも休憩時間にそれらを拝借してむさぼり読んでいた。
そりゃ、やっぱり一眼レフが欲しくなる。
店長は一眼レフを持っていなければ、という暗黙のルールみたいなのがあって、でも私は平社員だったけど一眼レフを買おうと決めた。
ペンタックスの、MZ-5。
その頃といえば猫も杓子もキャノンのEOSKissで、まわりもキャノンユーザーが多かったけど、EOSKissのあのデザインはどうにも好きになれなかった。
そんなこっぱずかしい名前のカメラ使えるかああああ!とも思っていた。
(使ってる方には申し訳ないです。)
MZ-5は、シンプルでかっこよかった。
ボディはやっぱりブラック。
既にMZ-3が発売されていて、本当はそっちがよかったのだけど、お金がなかった。
28-70mmの標準ズームがついてきたけど、それは眼中になくて、すぐに50mmF1.7を手に入れた。
『カメラマン』に、本格的に写真をはじめるのなら単焦点のレンズを持っていた方がいいって書いてあったから。基本は50mmだって。
本当はF1.4のほうがよかったのだけど、お金が(ry
MZ-5はもう手元にないし、写真屋時代に撮ったネガも全部捨てたけど、50mmF1.7は今も使い続けているし、最初に買った一眼レフがMZ-5でよかったな、たくさん写真を撮って楽しかったなってことは忘れてないので、それでいいと思っている。